この度の豪雨災害によって犠牲になられた方に哀悼の意を表すとともに、被害に遭われたすべてのかたにお見舞い申し上げます。一日も早い生活再建が望まれます。
また、昨日高松市から熊本県へ災害派遣対応にあたっていた市職員が新型コロナウイルス感染症に感染していたことが明らかになりました。感染経路が不明とのことで、避難所での感染拡大が起こらないことを切に願うとともに、職員の一日も早い回復を祈っています。
さて、広報高松6月号とともに、各ご家庭には「洪水ハザードマップ」が届いているかと思います。この「洪水ハザードマップ」を見て、皆さんはどうお感じになられましたか?わたしは、「え、このあたり色がついてないの?」と不思議に思いました。私が住んでいるのは松島地区です。2004年の高潮被害で、亡くなられた方もいる地域です。なのに、洪水ハザードマップには何の色もついておらず、【安心】の烙印を押されたような、それでも疑念がぬぐい切れない…という印象を受けました。
この感覚は、わたしだけのものではありませんでした。すぐ隣の築地地区の方からも「なんで築地は色がないんかな?」とお問合せがありました。朝日町の方からも「ここが真っ白っておかしいんじゃないかな?」と。
調べてみると、今回配布された「洪水ハザードマップ」は【香東川、本津川、新川・春日川の洪水予報区間又は水位周知区間について、河川が氾濫した場合の浸水想定区域と、水深を示したもの】でした。松島地区を流れる御坊川は対象になっていません。また、各地域を流れる支流も対象外です。
そして、ハザードマップというのはこれだけではないこともわかりました。
■地域コミュニティ別ハザードマップ…津波および土砂災害などによる被害が想定される区域
■土砂災害ハザードマップ…土砂災害特別警戒区域及び土砂災害警戒区域
■ため池ハザードマップ…貯水量5万トン以上のため池が豪雨や地震の際に決壊した場合の氾濫浸水地域
(松島地区は対象外)
■高潮浸水想定区域図…高潮時に浸水が想定される区域(2004年被害を教訓に香川県が作成)
■洪水ハザードマップ…香東川、本津川、新川・春日川の洪水予報区間又は水位周知区間について、河川が氾濫した場合の浸水想定区域と水深
という5種類のハザードマップが高松市には存在していました。河川管理が県なので、県からのお金で高松市が作成、配布していたり、見直しがあればその都度作り直しているので作成時期も統一されていません。
これまで、ハザードマップの作成に関する予算審査の時に気づいてきちんと指摘をすればよかったのですが、「ハザードマップ」と言われるとすべてを網羅しているものだと思いこんでいました。調査不足を心底反省しています。
危機管理課に、これらを統一したものを作れないのか尋ねたところ、今回配布したものは県が浸水想定区域の見直しをおこなったことによる更新。遠くない時期には統一のものが必要だと考えている、とのことでした。
毎回、どのハザードマップが届いていて(しかもこれまで全戸配布ではなかった)、上記5種類のハザードマップを重ね合わせて、こういう災害の時はここは安全、ここは危険、と把握している方が一体どれくらいいるのでしょう。
ハザードマップの活用はとても大切です。今回の熊本県の河川氾濫でも、浸水区域がハザードマップとほぼ一致しており、ハザードマップのおかげで助かったという方もいます。だからこそ、市として責任を持って、きちんとしたものを作成しなければなりません。
豪雨災害が相次ぐ今、高松市のハザードマップの再度の確認と、一つだけ見て安心するのは今は違うということを認識していただきたいと思います。
今後、より分かりやすく、分散型ではないハザードマップの作成を求めていこうと思います。